この奥にある砂風呂のこと

 と帆村がいうと、楢平は指をさして、「新別府ちゅうのは、この奥にある砂風呂のことや。そのわりに流行ってえへんけれどなあ。よかったら行ってみなはれ。ええ女子がおって、あんじょう砂をかけてくれるがな」といった。 帆村は妙な気になった。 今夜からいよいよ死闘だと覚悟していたのに、それがこんな風に呑気...

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砂風呂の異変

「へえ、相済みませんです」 それから藤三親分は、帆村にいろいろと仲間の習慣の話や、縄ばりのこと、持ち場などについて、こまごました注意を与えたのち、「さあ、これは今夜の、わしからの引出物や。これを一枚、お前にやる」 と云って、一枚の紙札をくれた。 帆村が何だろうと思ってみると、それは新別府温泉...

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まるで坊やとのお約束みたいです

「それからもう一つはなア、一日に一度だけは、うちへ電話をかけとくんなはらんか。そうしたら、うち安心れて睡られます。よろしまんな」「はッはッ、まるで坊やとのお約束みたいですが、たしかに承知しました。ではこれで、僕はかえります」「あら、もう帰ってだすの。まあ、気の早い人だんな。いま貴郎《あなた》のお...

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