一人の女

 帆村は身体をゴソゴソ動かして、その相客と同じように胸のあたりにしきりに砂を掻きよせた。 そのとき一人の女が、室内に入ってきたのを感じた。絣《かすり》の着物を、短く尻はしょりをして、白い湯文字を短くはいていた。 その女はいきなり帆村の方へやってきて、「おいでやす。もっとうまいこと砂をかけてあげ...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 03:22 pm  

この奥にある砂風呂のこと

 と帆村がいうと、楢平は指をさして、「新別府ちゅうのは、この奥にある砂風呂のことや。そのわりに流行ってえへんけれどなあ。よかったら行ってみなはれ。ええ女子がおって、あんじょう砂をかけてくれるがな」といった。 帆村は妙な気になった。 今夜からいよいよ死闘だと覚悟していたのに、それがこんな風に呑気...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 03:21 pm  

砂風呂の異変

「へえ、相済みませんです」 それから藤三親分は、帆村にいろいろと仲間の習慣の話や、縄ばりのこと、持ち場などについて、こまごました注意を与えたのち、「さあ、これは今夜の、わしからの引出物や。これを一枚、お前にやる」 と云って、一枚の紙札をくれた。 帆村が何だろうと思ってみると、それは新別府温泉...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 03:20 pm  

T: Y: ALL: Online:
Created in 0.0107 sec.

http://rpgfiles.net/