自分の巧妙な義手の話

 帆村は、すっかり観念したように装いながら、実はしきりと時間の経過するのを待っていたのだ。あまり長くなると、きっと連れの楢平が怪しんでこの砂風呂に入ってくるだろうから、そのとき騒げば助かるかもしれないと思っていたのだった。「あの巧妙な手や足はずいぶん巧妙にできているが、一体何と何との働きをするんだ...

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冥土《めいど》の土産

「こ、殺される前に、一つだけ聞きたいことがある。く、頸をすこし、ゆ、ゆるめて……」 それを聞くと、蠅男はなに思ったか、お竜の方にそれとサインを送った。その効目《ききめ》か、お竜の指の力は、申訳にすこしゆるんだようだ。「早く云え」「うむ」と帆村は喘《あえ》ぎ喘《あえ》ぎ「貴様は、なぜあの三人を殺...

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死線を越えて

 砂の中から出ているのは、蠅男の頸だったのである。悪逆残忍、たとえるに物なき殺人魔・蠅男の首に外《ほか》ならなかった。「お竜《りゅう》、しっかり圧《おさ》えていろ」 蠅男は底力のある低い声で呶鳴《どな》った。 お竜! するといま帆村の頸《くび》を圧《おさ》えつけているのは、蠅男の情婦のお竜だっ...

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